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2016.12.08

若者応援

その「ございます」間違ってない? 〜接遇マナー〜

その「ございます」間違ってない? 〜接遇マナー〜

 社会人にとって、切っても切れないのが「ビジネスマナー」。基本ができているか否かによって、相手に与える印象は180度異なります。就活の合否や、仕事の出来にも繋がってくるビジネスマナー。今回は、そんなビジネスマナーの基礎を学んでいきたいと思います。教えてくださるのは、宮崎市在住『オフィスあかの』接遇マナー講師の赤野さんです。インターネットで調べても、あまり出てこない部分について重点的に教えていただきました。私は完璧!と思っていても、実は誤った使い方をしているかもしれませんよ。ぜひチェックしてみてください。

その「ございます」間違ってない? 〜接遇マナー〜

名刺入れは座布団!「名刺交換」のいろは

 ご挨拶の際、最初に行うのが「名刺交換」。相手の印象が決まる、とても重要な瞬間です。ご挨拶前に、名刺入れは取り出しやすいところにいれておきましょう。目下や訪問者の立場から名刺を差し出します。同時に差し出した場合、相手の名刺の高さより高くならないように注意したいですね!相手に差し出す際のコツは「名刺入れが座布団だ」と思うこと。相手の「座布団(名刺入れ)の上に、名刺をそっと置いてあげる」という感覚で差し出すとやりやすいですよ。相手も受け取りやすいです。受け取る際には、名前や会社ロゴを自分の指で隠すことのないようにしてくださいね。正しいやり方をしなくちゃ!と焦ってしまって、相手の目を見れていなかったという方もよくいらっしゃいます。名刺交換はコミュニケーションの1番最初の部分。渡す前、渡した後、しっかりと目を見ることを意識しましょうね。

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思わず本心が現れちゃう!「お辞儀」

 お辞儀は、指をしっかり伸ばした状態で、右を下にして組みましょう。右を下にするというのは、諸説あるようですが、刀を下にしまうという意味があるそうです。会釈は15度、お客様を迎えるときのご挨拶時は30度、謝罪や敬意を現す際には45度の角度でお辞儀します。角度以上に大事なのは「ながら」お辞儀をしないこと!歩きながら、作業しながらのお辞儀は、お迎えしている気持ちが伝わりません。好きな芸能人が目の前に現れたと思って練習してみてください。思わず立ち止まり、身体を向けて、口角も上がってしまいませんか?ちょっとしたことで、ご自身の本心が現れるお辞儀。しっかりと心の底からお迎えの気持ちを持って行いたいですね。

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「身だしなみ」はきちんと仕事をします!という意思表明

 身だしなみなんて、仕事をしっかりしてれば関係ないでしょ?と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし身だしなみは「きちんと仕事をさせていただきます」という意思表明の代わりになります。不潔にしていると、相手はまず最初に不快な気持ちを持ち、せっかく良い仕事をしていても見ていただけません。もったいないですよね。身だしなみの中でも特に見落としてしまいがちなのが、「耳」と「後ろ姿」です。耳の中って意外と見えるんですよ。しっかり毎日清掃しましょう。肩にフケが落ちているのも、とても不潔な印象を与えてしまいます。濃い色のスーツだととても目立ちます。時々、確認するようにしたいですね。また、最近流行っている柔軟剤にも注意が必要です!ご自身はいい香りだと思っていても、苦手な人もいます。出来れば、匂いの強い柔軟剤は避け、無臭な方がいいでしょう。

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そのコピペ、バレてます!「ビジネス文書」

 マナー講習をしていて、特に知りたい!と要望が多いのが「ビジネス文書」です。インターネットで調べると、情報はたくさんでてくるのですが、それをそのまま使える状況って意外と少ないんですよね。例えば今の時期。秋の挨拶、と検索すると「秋冷の候」という言葉がでてきます。ただ、宮崎のように温暖な地域だと「ん?寒くないけど。もしかしてインターネットで調べたものを何も考えずそのまま使っちゃってるんじゃ?」と思われてしまうかもしれません。同様の言葉で「秋晴の候」というものがあります。こちらですと、温かくても違和感がないですよね。実際の天候に見合った言葉を使うように心がけましょう。ちなみに、時候の挨拶に迷った際に使えるのが「時下」です。「時下 ますますご健勝のことと…」といった風に、季節に関係なく使用することができますよ。

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こんな使い方してない?「誤った言葉遣い」

<ございます>「鈴木様でございますね」と使っている方が多いんですが、実はこの使い方は誤っています!正解は「鈴木様でいらっしゃいますね」です。「ございます」は、いる・あるの丁寧語です。あまり相手方に使うことはありません。<電話にかかっている>「只今山田は別の電話にかかっております。」という使い方もよく聞きますが、こちらも不自然です。「でております」で大丈夫ですよ。<二重敬語>丁寧な言葉を使わなくちゃ!という想いが強すぎて、二重敬語になっている方もよくいらっしゃいます。心意気は素晴らしいのにとてももったいないですよね。例えば「◯◯様がおっしゃられていました」。これは、言うの尊敬語「おっしゃる」と「〜れる」という尊敬語を同時に使っていることになります。正解は「◯◯様がおっしゃっていました」で大丈夫ですよ。

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マナーは大事!だけど、形式にとらわれすぎないで

 マナーを正しく身につけることは、コミュニケーションを円滑に進めるためにとても重要です。しかし、形式にとらわれすぎてしまっては、元も子もありません。一番大事なのは、相手を思いやる「心」。名刺交換一つとってみても、結局印象に残るのは、マナーがきちんとできていたかどうかよりも、私自身に関心を持ってくださって会話がはずんだかどうかだったりします。結局は、人対人として相互のコミュニケーションが取れたかどうか、なんです。1つ1つの対応の際に、どれだけ相手を軸に考えられるかが大事なんですよね。ちょっと間違っててもいいんです。むしろ、若い方は間違ってて当然です!私もまだ戸惑うこともあるんですから。どうやったら相手が喜んでくださるか、気持ちよくなっていただけるか。そこを考えながら行動できると良いですね。