20do

しごと

みさき農園のイメージ画像

23

2020.01.30

その他

みさき農園

野菜も人間と同じ
摂取するものが大事

 野菜は土の中の微生物を養分にして成長しますが、バランスが良くないと不健康になる点は人間と同じなんです。肥料を与えて太った野菜を作るという従来の農法は、野菜が太りやすい分、虫も付きやすいため農薬を使います。一方、有機栽培は土壌の微生物を多様化させることで、野菜が太り過ぎず健康に育つため、実は虫が付きにくいんです。私が有機栽培を始めたいと言ったとき、その大変さから祖母たちには大反対されましたが、あきらめずに頑張りました。

有機農業の学校で学んだ長﨑さん。農地2ヘクタールのうち5アールで有機栽培をしている

祖父の死をきっかけに
農業を継ぐことを決心

 もともと農業を継ぐ気はなく、高校卒業後は接客業に就きました。しかし、祖父が亡くなる間際に後継者の心配を口にしたので、とっさに「私が継ぐ」と答えたんです。祖父たちとタケノコ掘りなどをしていた子供の頃は本当に幸せだったと気づいたときに、これから先の自分のことを考えて農業の道に入ろうと決めました。また、野菜の収穫や漬物づくりなどの貴重な体験を、次世代を担う子どもたちにも伝えていきたいと思ったんです。

祖母、両親と一緒に農業を営む長﨑さん

お客さまの顔が見える農業

 農業を始めた頃、東京に視察に行く機会がありました。育てた野菜が都会でどう流通しているかを見に行ったのですが、輸送の間に傷んだ野菜が捨てられる現実を目の当たりにしました。一方、地元の直売所では「海咲ちゃんの野菜を買ったよ」と声を掛けられるようになり、顔を見て買ってもらえるって良いなと感じていました。ちょうど母から「農家レストランをやろう」と相談されたのをきっかけに、「サチカフェ」を開店しました。

(右上)農家レストランの「サチカフェ」、(右下)ランチプレート、(左上)近所の人が協力して体験なども行う、(左下)収穫したもので料理を作る。「土から口まで」がコンセプト

祖父や祖母の教えを
次世代に伝えたい

 祖父母から教わったことを伝えるために、タケノコ掘りなど親子を対象にしたイベントを開いています。近所の人に協力してもらいながら企画し、SNSで発信、募集します。また、市と連携した収穫体験のほか、料理作りの体験も行いました。野菜セットをネット販売するなど新しいことにも挑戦していますが、やっぱり顔が見える人に届けたい。将来、自分が土づくりした畑を、「こんな良い土をありがとう」と子どもが受け継いでくれることが夢です。

みずみずしい野菜をネットでも販売。「将来は、トラック販売もしたい」と夢が広がっている

 

長﨑海咲(ながさきみさき)
【プロフィール】
平成3年生まれ、宮崎市田野町出身。アグリイノベーション大学校卒業。
平成25年就農。農業と農家カフェ経営

 

みさき農園
【会社概要】
業種:農業
設立年月:平成29年3月
所在地:田野町あけぼの4丁目54
公式ホームページはこちら