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まちの小さなチャレンジを拾える存在でいたい

インタビュー - 2017.03.28

株式会社サーチフィールド 取締役FAAVO事業部事業責任者 齋藤隆太氏

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 宮崎市生まれ。2008年に株式会社サーチフィールド創業時に取締役として参画。2012年、同社内の新規事業「地域×クラウドファンディングFAAVO(ファーボ)」を企画、リリース。現在では、全国67のエリアで地方公共団体、金融機関、地方事業者、NPOなど様々な団体と協業しながら、地域にクラウドファンディングを根付かせる活動を行う。2017年1月、同社サテライトオフィスを若草通に「WAKAKUSA Office」として設置。宮崎出身者の他、東京や福岡から移住した若者が勤務している。

離れて芽生えた郷土愛

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 東京で株式会社サーチフィールドを展開していた齋藤さんはクラウドファンディングでの地域ビジネスに乗り出しました。その当時は、日本国内でクラウドファンディングが知られ始めた時期。齋藤さんは全国に先駆けて、“ローカルで地道にチャレンジをしようとしている人”を支援する、地域に特化したクラウドファンディング『FAAVO』を立ち上げ、その第一号となるエリアを地元・宮崎に置きました。もともとは嫌いで飛び出した宮崎。でも東京で過ごすうちに「宮崎とつながりたい」という想いが芽生えたからだといいます。「よく出身地のことを聞かれ、話すうちに故郷が思い出の場所となり、家族が住む大事な場所との思いが膨らみ始めました。そのうち、宮崎っていいなと思うところが増えてきて。僕と同じ思いをしている人が都会には多くいることも感じましたし。都市部にいながらも地方と気軽に関われる新しい関係値を築けるサービスをしたいと思ったんです」。

「FAAVO宮崎」HP

まちで一番身近な存在になりたい

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 地域に特化したクラウドファンディング『FAAVO』を始めて4年半。これまでさまざまなプロジェクトが生まれました。その中で齋藤さんが特に印象的だったと話すのが、日南市の飫肥杉プロジェクト。日南市が誇る飫肥杉を商品化した「obisugi-design」をニューヨークのギフトショーに出展し、新たな販路開拓を目指すというもので、民間の方が発案し自治体の事業をPRするというカタチで始まりました。自治体にとってはコストなしで自分たちの事業を盛り上げてくれる人がいるということで喜んでいただけた画期的な案件。この飫肥杉プロジェクトがきっかけでFAAVOは広く知られるようになったのだそうです。現在は活動エリアを全国の67エリアに拡大し、ローカルに特化した展開をしています。エリアは拡大してもまちの人に寄り添いたいという強い思いに変わりはありません。「僕らは、『まちから生まれるおもいをつなげる』というコンセプトがあり、まちに寄り添い、まちに一番身近なクラウドファンディングになりたいと思い、ずっと運用しています。各エリアにはエリアオーナーと呼ばれる現地の運用者がいて、まちでチャレンジをしたい人たちの相談・支援に親身に応じています」。

若草通を「クラウドファンディングの聖地」にする

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 FAAVOが今後どうなるかは、「まちのなかでどういう存在になれるかが非常に重要」と考えている齋藤さん。「起案者を増やしたり、もっとサービスを大きくしたりする方法もありますが、そうするとだんだんだんだん、まちの小さなチャレンジが拾いきれなくなってしまいます。まちの中のチャレンジは10万円あれば充分できることがたくさんあります。そういったチャレンジを拾える存在でいたいです。『まちから生まれる想い』をつなげるために、小さい想いをどんどん拾い、まちで一番身近な存在として、顔の見える範囲で“FAAVOさん、FAAVOさん”と呼ばれたいです。何か新しいことをやろうと思ったら、まずはFAAVOに相談に行こうっていう雰囲気にしたいんですよ」。クラウドファンディングは都市部にいてもできる仕事。それなのに、あえて宮崎にオフィスを構えて展開したのには、「若草通をクラウドファンディングの聖地にしたい」という強い想いがありました。「商店街の中で、異常に多くのクラウドファンディングをやっているところが宮崎市の若草通にあるらしい」と全国で話題に上るくらいにしたいと、野望を秘めています。まずは若草通に根差し、若草通をクラウドファンディングの聖地にし、宮崎県内の相談事を拾い、宮崎はチャレンジができるところ、夢を実現できるところにしたいと考えています。

夢を語り、アクションを起こすことで人生は変わる

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 宮崎人の中にある、恥ずかしくてなかなか夢を語れない、どうせ宮崎だからというやる前にあきらめてしまう気持ち。こうした風土をFAAVOは変えていきたいとも考えています。「夢を堂々と語れる雰囲気を作りたいです。今は地域で暮らす、地方で暮らすということこそがカッコいい時代になっています。宮崎は新しいチャレンジが生まれるところだから、宮崎人には自分たちのやりたいことを発信して欲しいし、チャレンジして欲しいです。プロジェクトをやるってすごくいい経験になると思います。クラウドファンディングはマーケティングに近いものがあります。誰が自分のプロジェクトに支援してくれるかを考えて、文章を考えたり発信したりとか、そういうことを一通り経験できるキャンペーン期間になるので、成長の機会としてトライして欲しいです。フォローアップは僕らが若草通でします」。

ライター後記

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 「夢を語るのは恥ずかしい」。それは誰しも同じ気持ちだと思います。しかし、その夢を口に出すことがなければ、自分以外の誰も知ることがありません。そして口に出さないまま日常と折り合いをつけて、夢を自分の中に閉じ込めてしまう人が多いのではないでしょうか。今回、齋藤さんのお話を伺って、FAAVOのスタッフはどんな夢でも一緒に向き合ってくれる“味方”なのだと感じました。「夢を口にできるということは、かっこいいこと」なのだという気風を、これから若草通からどんどん発信してほしいと思います。そして、クラウドファンディングを通して、宮崎の人々の夢が花開く姿を、楽しみにしたいと思います。