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神楽の伝統を引き継ぎながら、新しいものを取り入れている

インタビュー - 2017.11.10
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 宮崎は古事記や日本書記などに書かれた日本発祥にまつわる日向神話の舞台で、数多くの伝説や史跡、伝統芸能などが残されています。その一つに神社などで奉納される神楽があります。ある地域で神楽の担い手が二人にまで減少し、廃絶の危機に陥ったことがありました。そこで後継者を育てるために、子ども神楽に取組みはじめ、若い世代や子どもたちと一緒に神楽の文化を守り続けている人たちがいます。宮崎市内にある、加江田神社の宮司・鈴木さんと神職・大河内さんに神社や神楽のことについてお話を伺いました。

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▲宮崎キャリア・デザインスクール訓練生のげん、だいこん、ゆずゆず、もるる、ナビゲーターのくぼちゃん

 加江田神社(旧名:伊勢神明宮/いせしんめいぐう)は、アマテラスに由来を持ち、古来より、伊勢神楽(いせかぐら)を奉納しています。2006年から子ども神楽に取組みはじめ、その成果を毎年3月の例祭を中心に、四季の各祭礼で奉納しています。

【宮司:鈴木さん】後継者を育てるための子ども神楽を始めた発起人。【神職:大河内さん】21歳の若さで神主を務めており、現在は子ども神楽の指導をしながら、自身も神楽の舞い手として活動をしている。

子ども神楽をきっかけに復活

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 【くぼちゃん】鈴木さんが子ども神楽を始めて、加江田神社に神楽を復活させたと聞きました。どのような想いで始めたのですか?【鈴木】もう一度、神楽を復活させたい想いから始めました。今は大河内くんを中心に、子どもたちの方がやる気満々で勢いがあって頼もしいです。【大河内】私は主に子どもたちへ舞いの指導をしています。実は神職をしながら神楽を舞う人は少なかったり、神社によっては神楽を舞うことが出来ないところもあるんです。それは、行事やお祓いなどがあると、業務優先になってしまい舞うことが出来ないからなど理由は様々あるのですが。加江田神社は、鈴木さんが理解してくれるので、自由にさせていただいています。

自ら選んだ神主という仕事

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 【もるる】神職をしながら神楽を舞っている方は少ないんですね。大河内さんが神楽を始めたきっかけは、何だったんでしょうか?【大河内】まず、私は小学生の頃から神職になりたいと思っていました。家が神社に関係があるわけではなく、幼い頃に見た神職さんの立ち振る舞いがカッコよくて、絶対にこの仕事がしたいと思ったのがきっかけでした。神職になりたいと家族に話したら…実は、曾祖父さんが神職だったことを教えてくれて。【全員】えー!【大河内】偶然ではありましたが、運命的なものを感じました。神職になりたいと思った数年後に祖父と神楽を見る機会がありました。そこで舞っている姿を見て神楽もかっこいい!と思ったのが、神楽を始めたきっかけです。小学生の頃から神職になることしか考えてこなかったので、他になりたいと思った職業がなくて。神社一筋ですね。多分、神職になれていなければ仕事をしてない。それくらいです。

神楽と真面目に向き合う

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 【くぼちゃん】神職や神楽への熱い気持ちが伝わってきました。昔から伝わる文化を、継いでいくのは簡単ではないですよね?【大河内】過去には、神楽が粗末に扱われていたこともあったと鈴木さんから聞いたことがあります。神楽は、神様に奉納するものとして古くから伝わっています。普段、姿が見えない神様と人をつなぐとても尊いものだと感じています。神社や地域によって考え方は違いますが、私たちは舞う前に必ず場を清めてから始めます。真面目に伝統に向き合うのは、これからに引き継ぐために大切なことだと思います。

伝統を引き継ぎながら、新しいものを取り入れる

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 【くぼちゃん】もっと多くの方に神楽の文化や想いを知って欲しいですね。加江田神社では、独自で何か新しい取り組みをされていたりするんですか?【大河内】神楽を多くの人に知ってもらいたいのですが、神社は商売的に見えるような宣伝が出来ません。お祭りや行事のお知らせをするのに張り紙だけでは、近所の方にしか知ってもらえない。そこで最近は、SNSを使うようになりました。例えばお祭りの宣伝にFacebookやInstagramを活用していたり。行事ごとだけでなく、お祓いや七五三を行う場所をWEBで検索した時に、情報が少しでもあると来てもらいやすくなると思い活用しています。伝統を引き継ぎながら、新しいものを取り入れるのは神楽も同じです。基本の舞いを身につけたら、自分なりにアレンジした動きを加えています。伝統を守りながら、新しさも取り入れてこれからも神楽を舞い続けたいです。

 取材の始めに、実際に神楽を舞っていただきました。なんと大河内さんが鈴木さんの太鼓に合わせて舞ったのは、初めてだったそうです。(息がぴったりでした!)神楽をみせていただいている間は、自然と背筋が伸びて、まるで神様が目の前で舞っているような不思議な感覚でした。加江田神社は伝統を引き継ぐだけでなく、新しい形に変えて歴史あるものをどう現代で表現していくのかを考えていました。親しみやすい優しい雰囲気の宮司・鈴木さんと21歳の若さで神職を務める大河内さんの話しを通して、神社や神楽の深いところまで知ることができました。