20do

  • Twitter0
  • facebook0
  • LINE

自分の弱さをさらけ出せる強さと、周りを巻き込む力

インタビュー - 2017.11.20
""

 宮崎の中心市街地から少し離れたオフィス街の裏通りに、白塗りが特徴的な一軒家があります。ここは、CM やグラフィックデザイン、web、テレビ番組の制作を行っているデザイン事務所、株式会社ハナビヤです。

 ハナビヤが手がけたCMたちは、宮崎県民おなじみの「野崎漬物」や「宮崎ケーブルテレビ」など多数あります。代表の遠山貴一さんは、東京のデザイン事務所で経験を積み、2010年4月に25歳の若さでハナビヤをたちあげました。今回は、宮崎キャリア・デザインスクール訓練生のカシュー、だいこん、げんとデザイナー1年目のくぼちゃんが、座談会形式でお話しを伺いました。私たちが訪れると、遠山さんは「何の取材だったけ?笑」と場を和ませてくれたり、取材中もカメラに向かってピースサインをしたりとお茶目で面白い方でした。遠山さんのおかげで、私たちの緊張もほぐれ、笑いの絶えない座談会はスタートしました。

""

▲左から、遠山さん、くぼちゃん、カシュー、だいこん、げん

失敗しても再スタートができる、若い時にしか挑戦できないと思った

""

 【くぼちゃん】20代の若さで会社をつくって独立って怖くなかったんですか?【遠山】うーん、25歳で独立って正直、無茶ですよね?(笑)でも、失敗しても再スタートができる若い時にしか挑戦できない!武者修業と思って始めました。独立してまず最初に、宮崎の同業者の人たちが、どういうスタイルで仕事をしているかを調べたり、生きるために必死でしたね。そうしたら、今もなんとなくうまくいってるから自分でもびっくりしてるんですよ。

仕事は、ひとりでは出来ないと気づいた

""

 【くぼちゃん】ひとりでスタートしたデザイン事務所が、今は多くのスタッフさんがいる会社になるってすごいことですよね?独立してから大変だなって思うことはありましたか?【遠山】独立してすぐは噂などで、叩かれることも結構ありました。やっぱり大人って大変だなって、落ち込むこともありました。そんな時に、カメラマンの先輩が「大人でも仲間になってくれる大人っておるやろ?」って一言。その言葉に救われたんですよ。実は、ハナビヤで働いているデザイナーやCMディレクターの中で、自分自身がナンバーワンではないし、自分より上手い人たちが会社にいてくれてます。人を巻き込んでいくことで、仲間が増えています。自分ひとりでは出来ないことも、仲間になってくれる人たちのおかげで出来ていますね。

仕事を始めて3年目で、やっと仕事の楽しさに気づくことができた

""

 【くぼちゃん】私はデザイナー1年目です。制作していて正解が見えず悩むことが多く自分に自信がもてません。遠山さんにも、制作する際に、不安な気持ちになったり葛藤ってあるんですか?【遠山】正直、今でも不安だったり葛藤はあります。私は仕事を始めて3年ほど経って、制作の正解ラインがわかってきました。厳しいことを言うけど、逆に3年過ぎて正解が見えなければ、やめたほうがいいかもしれないですね。例えば、仕事を始めて1年で仕事の下地がなんとなく見えて、2年目でやっと視野が広がり出来ることが増え、3年目でやっと、ひとりで任せられることが増えてきた気がします。だから1~2年で転職するって、もったいないと思うんですよね。

 【カシュー】うーん。耳が痛いです。【遠山】今まで何回、転職したの?【カシュー】僕は、4回ですね。最初はゲームショップ、次が携帯販売、車の整備、最後はゲームのバグを見つける仕事をしました。1年働いていて、ゲーム制作の裏側がなんとなく見えました。そこで、自分がずっとこれから働くのかって、考えた時に様々な理由で、なんか違うなって思ったんです。でも今となっては、3年続けていたらまた違ったのかなという気持ちですね。

 【遠山】3~4年経ってから、仕事は楽しくなってくると思います。私が東京では、グラフィックデザインをしていました。ただ、思うように上手くはいかなかったんです。宮崎に帰ってきて、転機になることがありました。それは、趣味でやっていた映像を『地上波でやってみないか』と声をかけてもらえたことでした。それからは、この機会を逃したくないって必死に技術を身につけていきました。実際に、動画を見て喜んでくれてる人の反応を見た時にやりがいを感じましたね。

技術が身につくのは当たり前、大切なのは自分自身をどう見せるか

""

 【カシュー】僕は、いずれは独立したいと考えています。今後、重要なのはデザインの技術よりもその人脈とコミュケーション能力なのでしょうか?【遠山】みんな一緒に上がっていくんだから、まず技術があるのは当たり前。あとは、自分自身の見せ方だと思います。私は、パフォーマンスばっかりですけど(笑)作品を作ったら、たくさんの人に見てもらう機会をつくる。いろんなコミュニティの中で、どんな見せ方ができるのかを、具体的に考えることですかね。すると自分が人よりできる分野がみえてきて、自然と自分が何ができて、何が好きなのかがわかってくると思います。

 第一線で活躍している方と話す貴重な機会は、制作者を目指す彼らにとって、新たな視点や考え方を吸収できる時間になりました。座談会が始まる前『緊張してます、どうしましょう』と心配そうにしていた学生たち。座談会が終わった後の彼らの表情は、目標へ向かうやる気に満ち溢れていました。私たちの周りには、自分の悩みや思いを聞いてくれる大人たちがいてくれます。もっと、いろんな方と話をしてみたいと思うきっかけになりました。