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2018.05.30

インタビュー

偶然とチャンスを引き寄せて

有限会社トラベルマン/代表取締役 長友キャメロンさん

偶然とチャンスを引き寄せて

 宮崎市芳士にある有限会社トラベルマンは、英語教材や知育玩具を販売している会社です。代表取締役は、さわやかな笑顔が印象的な長友キャメロンさん。20年前にイギリスから宮崎に移住されました。旅行が好きで20代の頃にワーキングホリデーで訪れた国は、30カ国以上。旅を通してさまざまな仕事を経験されたそうです。長友さんが、宮崎で生活を始めたきっかけとは?座談会形式でお話を伺いました。

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▲宮崎キャリア・デザインスクール訓練生(取材当時)のカシュー・げん・もるる・ゆずゆず・ことちゃん・あやちゃん、ナビゲーター、くぼちゃん

 2004年に設立した有限会社トラベルマンは『englishbooks.jp』というオンラインストアにて英語教材を販売。その他にもグループ会社にて幼児用知育玩具なども取り扱っています。現在はグループ内で35名の従業員が働いています。

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過ごしやすさと人の温かさに惹かれて

【カシュー】生まれ故郷を離れて、日本に移住し会社を始めることは簡単ではないと思います。日本に住むきっかけはなんだったのでしょうか?【長友】22歳の時に世界旅行中に鹿児島を訪れたことがきっかけで、日本での暮らしに興味を持ちました。ちょうど春先で気候も良く、その時に出会った人たちもフレンドリーで、私にとっては過ごしやすいと感じました。はじめは移住するつもりはなく、1年ほど働いてまた旅に出ようと考えていました。しかし気付けばあっという間に、宮崎に住み始めて20年経っていてそのくらい過ごしやすい環境なんだと思います。

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勘違いをきっかけに、新しいことに挑戦する

【カシュー】長友さんにとって宮崎は過ごしやすい環境なんですね。過ごしやすい土地だったからこその起業だったんですか?【長友】当初の予定は、アドベンチャーツアーの旅行会社設立でした。現実は厳しく当時、世界的な感染症が流行し、海外旅行をするニーズが減少しました。そこで夢は諦めず、まずは英会話教室を始めました。【カシュー】好きなことを仕事にするってやっぱり大変ですよね。いまは英語教材の販売を中心に事業をされていると伺いました。もしかして、教材販売も偶然の出来事だったりするんですか?【長友】そうなんです。当時、英語教室に300人を超える生徒がおり、教材を用意するのが大変でした。教材費を抑えられるかを出版社に確認した際に、自社を『書店』と勘違いされたことがきっかけで『englishbooks.jp』が始まりました。今みたいにスマホのない時代だったので、始めは紙の地図をひろげて英会話教室を調べて、手探りで営業をしていました。それから営業先で信頼し合える人たちに出会い、取引先が増えていきました。偶然の出来事から始まった事業が、今では日本でのシェアが1位に届きそうなくらいにまで、成長しています。

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人生の中には、いろんな分岐がある

【げん】偶然の出来事から『englishbooks.jp』は始まり、人との繋がりで今の仕事がうまれたんですね。【長友】そうですね。いままで、さまざまな時代の変化などが重なり、自分自身が目指した結果にならないこともありました。例えば電子書籍の流行やタブレット端末の普及によって『紙』を使った教科書が減ってきています。『englishbooks.jp』では教科書の販売をしているので、このままだと会社がなくなると悩みました。しかし、社会の動きを変えることは出来ません。そこで代用しにくい『物』を取り扱った事業を始めようと、アメリカの大手知育玩具メーカーと契約を結びました。【カシュー】いまの仕事に関しては、大きな選択をしたのではなく、そのときに一番いい選択した結果、ここにたどり着いたって感じですか?【長友】簡潔にまとまっていていいね!確かにそうですね。人生の中には、いろんな分岐があります。明らかに分岐がわかれているような、結婚するかしないか、入学するかしないかだったり、場合によってはもっとグレーなものも。その時に自分が考えていた一番の道ではなくても、その道が一番いい場合だってあると思います。『こうあるべきだ』と頑固に考えるだけでなく、常に柔軟に考えられる力が必要だと今までの経験で感じました。

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20代の頃はたくさん挑戦して、失敗してもいい

【くぼちゃん】長友さんは、20代の頃にたくさんの国で様々な経験をされたと思います。その経験がいまの会社や仕事に繋がっているんですね。【長友】私はどんな仕事だって一生懸命頑張れば、やりがいになると思っています。20代は可能性が豊富でたくさんのチャンスがあり、一番なんでもできる時期だと思います。やはり年を重ねていくと、新しいことに挑戦したくてもめんどくさくなってしまいます。若いときに経験することは、きっと新しいことばかりなので、失敗を恐れず挑戦して欲しいです。失敗しても、それからどうするかを考えられる判断力さえ身につけていけばきっと大丈夫。そして飾らないで素直に相手と向きあうこと。そうすれば必ず相手との信頼が生まれて、偶然のチャンスも逃さないと思いますよ。

丁寧で優しい言葉から、人を思いやる気持ちが伝わってくる長友さんのお話。それは世界中を旅して、たくさんの人たちと交わしてきた言葉や、経験があるからこそだと感じました。座談会の途中にグループ会社の『ドリームブロッサム』で取り扱っているおもちゃを触らせていただき「このおもちゃyoutubeで見たことがある」と興奮ぎみなメンバーも。「20代は一番なんでもできる時期」その言葉通り私たちには可能性やチャンスがあり、ただ見逃しているだけかもしれません。失敗を恐れず『何かしたい!』という気持ちを周りに話すことで、思わぬチャンスをつくるきっかけになるのでは?とお話を聞いて思いました。