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まち

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2020.08.25

コラム

私たちだからできる事

学生が行う地域貢献

 広く地域に開かれた大学という理念の下、学びながら地域貢献をしている学生がいると聞き、宮崎公立大学を訪ねました。いくつかの活動から「保育サポーター部」と「学生ボランティア部」をご紹介します。保育サポーター部は、学生が子どもの遊び相手として家庭を訪問し、保護者を含めた異世代交流をしながら子育てを支援。部員は、担当する家庭を週に1度訪れ、2時間程度子どもと保護者と一緒に過ごします。学生ボランティア部は、非行を犯した少年の更生の手助けを行う活動。家庭裁判所の審判までに調査官が少年を調査し更生の可能性を見きわめます。その段階で学生が1〜2カ月、少年と学習活動や清掃活動などを行い、審理に必要な評価・分析に協力します。

保育サポーター部と訪問する家族とのクリスマス会

保育サポーター部
〜子育てしている自分をイメージ〜

 「訪問日にドアの前に立つと、喜んでいる子どもの声が聞こえてきて、私たちもうれしくなります」と話す田中凜さん(3年生)。田中さんは、この経験が就職に役立つのではと思い活動を始めました。「公務員になり子育てに関係する仕事をしたいので、自分だったらどんなサービスを受けたい?他に何が必要?などイメージできるようになりました」。保護者も訪問を楽しみにしてくれていると言います。「私たちは、お子さんと2時間過ごしただけでヘトヘト。想像以上に子育ては大変だと気付きました。この活動がご家族のよい気分転換になればうれしいです。私たちも親になった自分を想像したりして楽しみながら活動しています」。

子どもと一緒に公園で遊ぶことも(左)サポートを利用しているご家族は、以前、支援を受けていた方からの紹介がほとんど(右)

学生ボランティア部
〜若い私たちが手伝えるなら〜

 調査協力の依頼は年に1、2回で部員2〜4人が調査官立ち合いの下、参加します。部員には事件の内容は知らされず、少年とプライベートな話をしない、会った事を外部に話さないという決まりがあります。部長の曽川香鈴さん(3年生)「ごみ拾いをしながら少年と会話をしていたら、少年のお母さんがうれしそうに見ていた事がありました。その表情に気付くまで私は、彼が事件を起こした人だということを忘れていました」。前部長の濱田杏菜さん(4年生)「調査官は、少年と私たちの何気ない光景を見たいのだと思います。人に先入観を持たないとか、少年と同年代の私たちだからできるやり方があるのかも。私は教員志望なのでそんな気持ちをこれからも大切にしたいです」。

普段は実際の活動に役立てるために部員それぞれ役割やキャラクター設定をしてロールプレイングを行うなど依頼に備えている

 

取材協力
■宮崎公立大学
☎︎0985-20-2000
http://www.miyazaki-mu.ac.jp