農と海のある働き方を求め。楽しいスイッチは常にON
WORK
株式会社野崎ファーム廣瀬 英明さん
2021年8月、東京都から宮崎県に移住した廣瀬さん。宮崎県の主な産業である「農業」と「サーフィン」を両立する新しい働き方を提案する、株式会社野崎ファームで働いています。 世界中を旅をすることが好きだったという廣瀬さん。宮崎移住のきっかけや今のライフスタイルについてお伺いしました。
皆既日食をきっかけに。世界を旅して回った20代
自己紹介をお願いいたします!
廣瀬 英明(ひろせ ひであき)沖縄県石垣島出身で、1979年生まれの43歳です。2歳から都内に移り住み、中学卒業後は自分でお金を稼ぎたくてすぐに働きました。
サーフィンに出会ったのも、中学時代の15歳。友人の兄に教えてもらったのがきっかけで、湘南の海に入っていました。20代はほとんど旅に出ていましたね。20か国くらいは行ったと思います。
そんなに!旅に出るきっかけが何かあったんでしょうか?
ある人から「海外で観た皆既日食がすごく綺麗だった」と聞いたのがきっかけでした。
それを見るためにまずタイへ行きました。それからマレーシアやインドネシア、ブラジルなどにも行きましたね。3〜4ヶ月くらい旅に出て、帰国。お金を貯めてまた旅に出る感じでした。一番長く滞在したのはベネズエラです。28歳から4年ほど滞在し、現地の和食店で働いていました。
旅の中で一番楽しかったのは、人との出会い。旅を始めた頃は、ちょうどFacebookが流行りだした時期で。日本にいたら出会えないような人たちと出会い、Facebookで繋がり、友達が増えていきました。とてもおもしろかったですね。
そして、32歳で帰国。30代は将来海外に住むことも視野に入れながらしっかり働こうと思いました。海外での飲食経験を生かし、東京都内の焼き鳥屋で働いてました。
コロナ禍で人生の見つめ直し。やり残したことを再開したい
海外生活も考えていらっしゃったんですね。
どうして宮崎に移住しようと思ったのですか?
移住しようと思ったのは、新型コロナウイルス感染症がきっかけです。生活が一変し、人生を振り返る中で、新しい生活を描いてみようと思ったんです。
15歳から始め、旅によって中断したサーフィンを再開したい。そして、飲食業に携わる中で自分も何か作物を作ってみたいと考えていました。最適な場所を探す中で見つけた求人が、今働いている野崎ファームです。
野崎ファームは、宮崎県の特産物である干し大根を利用した沢庵漬を加工販売している野崎漬物のグループ会社。
2021年から「FARM & MARINE」という働き方を提案していて、冬は農業、夏はプールの監視員やライフセーバーなどマリン事業に関わりながら、「農業」と「海」を両立することができます。希望するスタイルに一致していたので、すぐに応募しました。
農業と海の両立とは魅力的ですね!
どのような働き方をされているのでしょうか?
夏は、サンビーチ一ツ葉でライフセーバーをしています。皆さんが安全に海水浴ができるよう見守っています。
夏が終わると、櫓(やぐら)を組み立てる作業に入ります。畑は、サーフスポットがある木崎浜から車で20分ほど。冬も海に入っていますよ。
「楽しいスイッチ」をON!今日1日に集中して
「FARM & MARINE」は、農業の担い手不足を食い止めたいと始まったもの。弊社が法人としての生産高を増やすより、地域の生産者の生産高や農家さんが増えてほしいという想いからなんです。そして僕自身、新規就農することも考えています。
野崎ファームを卒業してご自身で農業をされるということですか?
そうですね。まだすべてを習得したわけではないのですが、これから身につけて独立したいと思っています。移住を決めた時、サーフィンだけでなく、農業もやりたかったので、今ようやく自分が思い描く生活へと動き始めていった感じですね。
農業の魅力はどんなところですか?
やっぱり太陽の光を浴びながら健康的に働けることですね。東京から宮崎に移住すると、給与面が下がるという人も多いと思います。しかし、僕は目に見えないものをもっと感じて楽しんでいきたいなと考えています。
最後に宮崎の若者へメッセージをお願いします!
新しい環境に飛び込むときや将来のことを考えると、漠然とした不安が出てくると思うんです。でも、頭で考えるばかりだと不安が募るだけ。だから僕は、自分がネガティブな感情に流されないように、自分の中で「楽しいスイッチ」を入れることをいつも意識しています。
若い頃の僕は、やりたい仕事をするというより、旅に出るためにいろんな場所で働いてきました。もし今何のために働くのか悩んでいる人がいたら、目標は何でもいい。自分で好きなように設定してみたらいいと思います。
やりながら軌道修正もできるし、それがいいか悪いかなんて今すぐわかることではないので。今日1日を楽しもうって思えたらそれで十分です。どこかで必ず繋がってきますよ。