20doのロゴ画像

長友 一平さんの画像

常にチャレンジし続ける。稼げる農業を宮崎から

WORK

株式会社ひなたいちご園 代表取締役長友 一平さん

宮崎空港から車で5分に位置する、ひなたいちご園。いちごの生産やいちご狩り、カフェを運営しています。化学肥料や農薬をなるべく使わず、安心安全な品質にこだわり糖度も高い。美味しさやおしゃれな空間に、老若男女から大人気です。 日本一のいちごを目指し、常にチャレンジし続けているのは、代表取締役の長友 一平さん。起業の経緯や農業への思いを伺いました。

アイコン写真

人生一度きり。安泰な人生よりも誰かを笑顔にしたい

自己紹介をお願いいたします!
長友 一平(ながとも いっぺい)、宮崎県宮崎市出身の36歳です。 宮崎商業高校を卒業後、通関士の国家資格を得るため、福岡の専門学校へ進学。卒業後は、20歳から福岡の企業に就職し、貿易関係の業務に従事していました。
「通関士」とはどんなことをするのでしょうか?
通関士は、物品の輸出や輸入に必要な書類の作成や手続きを代行する仕事です。その当時は、貿易黒字だったので、この仕事に就けば将来安泰だなと思い、猛勉強し資格を取得しました。 新卒で入った会社には、5年ほど勤めたのですが、深夜まで働き翌朝7時に出勤するということも多く、心も体も疲れきっていました。その上、大企業だったので、自分がいなくても代わりがいる。ふと自分の人生を振り返った時、このままでいいのかなと思ったんです。 そこで25歳のとき、大好きな宮崎に帰り、自分にしかできないものを提供したいと決意。会社を退職しました。サービスではなく、農業で周りの人を笑顔にしたいと、いちご農家だった両親のもとで修行を始めました。
もともと家業を継ぎたいという思いがあったのですか?
いえ、子どもの頃から、農家は大変な仕事だと思っていたので、実家を継ぐつもりは全くありませんでした。 しかし、せっかく宮崎に帰ったのに、一般企業に勤めたら今までと変わらない結果になる。宮崎でできる産業を考えた時、農地がたくさんあるなと思ったんです。 農作物の中でも、いちごなら誰にでも喜ばれ、もらった人も笑顔になれると思い、いちご農家を選びました。
一粒一粒が大きく糖度の高いこだわりのいちご
新規就農ということですが、起業までどのように進めていかれたのですか?
私の場合、1年目は両親の元で修業し、作り方を学んでいきました。その後は、自分でハウスを借り栽培。自分なりに情報収集したり、試行錯誤しながら新しいことをする中で、両親と対立することもありました。 両親は心配してくれていたのだと思いますが、新しいアイディアを思いついたら、やってみるという行動力が私の強みなので、修行後は個人事業主として、自分で農地を探し、栽培をはじめました。 そして、事業拡大するタイミングで31歳の時に起業し、今の会社を立ち上げました。現在は、いちご狩りやカフェ運営、農業と福祉の連携、いちごの加工品の販売などを行っています。
運営するCOICH CAFEで提供されるたっぷりのいちごを使用した100%いちごジュース

丁寧に向き合えば唯一無二の存在になれる宮崎

起業にあたって不安や大変なことはなかったのでしょうか?
もちろんありましたよ。不安で夜眠れないことやサラリーマン時代にはなかったプレッシャーを感じることもありました。でもその心配事のほとんどは取越し苦労で、実際には起きないことばかりなんですよね。 しかし、実際には起業した途端にうまくいかないこともありました。でもだからこそ、1人では何もできないことに気づかされたんです。経営をうまくいかせようと、毎日倒れるくらい働いた時期もあったのですが、それでは何も解決されなかった。 仲間を頼ったり、チームで動いていくことが本当に大切だなと感じました。日々、周りや些細なことに感謝できるようになったのは、起業したおかげです。
長友さんのいちごのこだわりを教えてください!
私の作るいちごは、平均糖度15度以上、最高糖度22度を超える高糖度のいちごが特徴です。安心安全ないちごを作るため、土づくりにもこだわり、残留農薬ゼロ、有機肥料を中心としたいちご作りを行っています。 美味しさや品質を守るための取り組みの一つとして、日本アグリマイスター協会認定の日本初となる「認定いちごマイスター」という資格も取得しました!
苗作りから収穫まで13ヶ月間かけて大切に育てられるいちごたち
宮崎の農業のどんなところに楽しさを感じますか?
宮崎の農業は、まだまだ進化していく可能性があると思っています。 今までにもたくさん失敗をしてきましたが、いちごの品質を改善するために、その分自分で県外の農家に連絡をして勉強しに行ったり、行動してきました。 宮崎は農業が盛んでたくさんの美味しい作物が採れますが、その品質をしっかり保って、確立していけば、同じ作物でも唯一無二のものになれるんです。 今も試行錯誤の途中ですが、日本一のいちご農家をめざしていきたいと思っています。 そして、私がこの仕事を楽しいと思えるのは、仲間がいてこそなんです。会社の仲間と新しいことを思いついて、その取り組みをチームでやっていくのが何より楽しい。それが私の原動力にもなっています。
ひなたいちご園のホームページ

60点でもいい。小さな一歩を重ねて未来へ進んで

これからの農業の未来についてどのように考えていますか?
農業従事者も高齢化が進み、2030年までに団塊の世代が引退すると言われているので、農業就業人口は大幅に減ると言われています。 一方で、最近では農業が若い世代に注目され、興味を持つ人も増えてきました。どんな仕事もそうですが、楽しいことばかりではないので、農業もそれなりの覚悟が必要になってきます。新規就農となると、さらにハードルは上がるかもしれません。 しかし、農業は自分の好きなものを自分の感覚で作って、仕事の時間も調整できるので、とても魅力ある仕事です。だからこそ、私は今稼げるかっこいい農業の仕組みづくりにも取り組んでいます。 興味がある人はぜひチャレンジしてほしいですね。
最後に宮崎の若者へメッセージをお願いします!
自分がやりたいと思ったことは、準備が整っていなくてもやってみてほしいですね。 人間は、これくらい貯金がいくらないとやれないとか、やらない理由や言い訳を探すのが得意です。 私も今まで、やってみようと思ったら、言葉にして宣言し、後に引けなくして進んできました。前に進むには、とりあえず一歩踏み出してみることが大事だと思います。 その一歩は小さくても、100点満点じゃなくてもいいんです。60点くらいで合格と思えるようになると、自分にも周りにも優しくなれる。その小さな一歩を重ねていくことが、自然に前に進んでいくことになると思います。 いろいろな景色をみたり、経験を重ねて視野を広げていってください!

Back