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困難を乗り越えて力に。技術を身に着け、誇れる仕事を

WORK

有限会社岩佐工業 左官中村 貴大さん

建物の壁や床を塗り上げ、外装を仕上げる仕事「左官」。高い技術と経験が必要とされ、2020年には「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。左官として有限会社岩佐工業に勤める中村貴大さんは、2022年11月に幕張メッセで開催された第60回技能五輪全国大会・左官部門で「敢闘賞」を受賞しました。経緯や大会の様子について詳しく伺いました。

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手先の器用さを生かして。建物の土台を作る、誇れる仕事を

 

自己紹介をお願いいたします!
中村 貴大(なかむら たかひろ)宮崎市出身、1999年生まれの24歳です。 宮崎県立宮崎東高等学校の夜間部を卒業後、有限会社岩佐工業に入社。 現在入社6年目で、左官業を担当しています。
左官業というのはどんなお仕事ですか?
建物の壁や床を「コテ」を使い塗り上げ、完成前の建物の最後の仕上げとして外装を整える仕事です。
つなぎのモルタル(セメントに水・砂を混ぜ合わせて作る建築材料)の量の調整や、塗りはかなり難しく、高い技術が必要です。モルタルは作業日の天候・気温・湿度などによって分量の調節が必要になるなど、経験も大きく影響します。
左官業に就きたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
元々手先が器用だったこともあり、左官業が自分に向いていそうで、純粋に楽しそうだなと思ったことがきっかけでした。 岩佐工業は、社長も含めとてもフランクな先輩方が多く、コミュニケーションも円滑です。冗談を言い合ったりもしますし、業務はもちろんのこと、働くことが楽しいと思える環境ですね。
どんなときにお仕事にやりがいを感じますか?
一見塗り上げの作業は、簡単そうに見えるのですが、ちょっとした力の入れ方や塗り方の違い、材料の配分の違いなどですぐにガタつきがでてしまいます。ムラのないように塗るのもかなり技術が必要です。 だからこそ、他の業者さんに「仕上がりが綺麗だ」と褒めていただいたり、できなかったことができるようになった瞬間にはかなり嬉しいですし、やりがいを感じます。

鍛錬を重ね挑んだ、2度目の技能五輪全国大会

第60回技能五輪全国大会左官部門の「敢闘賞」受賞おめでとうございます!
ありがとうございます!これまで岩佐工業では、たくさんの先輩方が技能五輪全国大会にチャレンジしていたので、自分自身も挑戦してみたいなと思い、挑みました。今回2度目の出場で、初めての「敢闘賞」を受賞することができ、とても嬉しいです。
どういった競技内容だったのでしょうか?

 

2日間に分けて、総作業時間11 時間 30 分ほどをかけて競技を行いました。課題図に示された、3つのモールディングと呼ばれる装飾と壁面を仕上げることにより、その技能や作品の出来栄えを競う競技でした。 実際の業務と同じように、気温や湿度、水量や水温などに影響されるので、本番のときにも指で触りながら目で見ながらタイミングを見計らって柔軟に作業する必要がありました。 2度目ということで初回よりも緊張することなく挑むことができましたが、練習よりもうまくできなかった部分も正直あったので、受賞を聞いたときには本当に嬉しかったです。
大会に向けて、どれくらい練習されたのでしょうか?
数ヶ月かけて練習しました。現場でも隅々まで細かく確認し、綺麗に仕上げられるように心がけていました。また、専務をはじめ、先輩方が直接指導してくださったので、とてもありがたかったです。業務後は、ひたすら自主練に励んでいました。 大会前の1ヶ月半くらいは、仕事も休みをいただき、練習に専念していましたね。
かなり鍛錬されたんですね!
そうですね。この技能五輪全国大会へのチャレンジは、社長が社員のモチベーションを保ち、技術力をアップするために、チャンスをくれるもの。実際に出場し、敢闘賞を受賞でき、今後の仕事に取り組むモチベーションにもなりました。
今後の目標はありますか?
会社を引っ張っていける人材になりたいと思っています。時間を守ることなど、社会人として当たり前の小さなことを大切にして、周りの人達の信用を得ていきたいです。仕事はもちろん、人としても信頼してもらいたいですね。

 

部活動の経験が力になり、何事も楽めるように

最後に、宮崎の若者へメッセージをお願いします。
学生時代の部活動で、練習がしんどい瞬間がありました。そのとき先生から「このきつさは、社会に出たら必ず役に立つから」と言われたんです。 当時はピンとこなかったのですが、今は確かにそのとおりだと感じます。きつい部活動を乗り越えることができたからこそ、忍耐力がつき、根性がついた。仕事をしていると、困難なこともあります。そんな瞬間のパワーになっています。 困難を乗り越える経験を、若い世代にはしてほしいですね。乗り越えることができると、力に変わる。しんどくても、楽しもうって思えるようになるんです。みんな色々不安もいっぱいあると思いますが、一度きりの人生を楽しんで欲しいですね!

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