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IT・IoT技術で誰かを救う。イメージを形に変えて

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株式会社アイティーシェルパエンジニア 尾堂祐一さん

ライブストリーミングのシステム開発やスマートフォンアプリ開発、IoT機器の開発など多岐に渡るIT事業を行う、株式会社アイティーシェルパ。福岡に本社を構え、宮崎とベトナムに支社を置いています。宮崎支社に所属するエンジニア尾堂さんは、幼稚園などの送迎バスでの置き去り防止支援システム「あすみ」を開発。国土交通省の適合基準にも合格し、県内で第一号として認定されました。制作までの経緯やITの魅力について詳しく伺いました。

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中学の先生が気付かせてくれた「ものづくり」の魅力

 

自己紹介をお願いいたします!
株式会社アイティーシェルパ宮崎支社でエンジニアをしています、尾堂祐一(おどう ゆういち)です。1970年生まれの53歳です。愛知県で生まれ、すぐに鹿児島市へ引っ越し、小中高時代を過ごしました。 今につながる「ものづくり」の魅力を教えてもらったのは、中学1年生のときでした。
どのような出来事があったのでしょうか?
担任の先生が技術の先生で、「昼休みになったら、技術室に来なさい」と誘われ、技術室へ行くとラジオの基盤を渡されました。 「部品取りしてみようか」と言われ、基盤を分解。ハンダゴテを持って、トランジスタや抵抗器などを全て取り出し、「またこれで何か作るよ」と作り方を教えてくれました。ものの仕組みを知れたことがとてもおもしろく、もっとものづくりについて学びたいと夢中になりました。 自然と工業系の学校を志すようになり、国立鹿児島工業高等専門学校の情報工学科へ進学。情報工学や電子工学について学び、卒業後は福岡県にある電子部品を作る企業へ就職しました。 工場内ライン設備の制御回路を設計し、制御盤を作成。自社の工場内で使用する電子部品製造の設備を作ったり、メンテナンスする仕事をしていました。それからいくつか転職をし、ベトナムや大阪など、様々な地で電子機器やIT技術を使った仕事に従事していました。
株式会社アイティーシェルパ宮崎支社にはどのような流れで就職されたのでしょうか?
パートナーが宮崎出身で住まいは宮崎県にあり、結婚後は単身赴任で各地で働いていました。なので、ずっと宮崎に住みたいという思いがあったんです。 前職を10年ほど勤めたのち、ステップアップしたいと退社。宮崎のハローワークで仕事を探していたとき、担当者の方がとても親身に相談にのってくださり、業務経験にマッチした当社の求人を見つけてくれました。入社後に代表に話を聞いたところ、ちょうどGPSデバイスの開発をできる人材を探していたタイミングだったようで、条件に当てはまったとのことでした。

技術と知識を集積した、バス置き去り防止装置「あすみ」

株式会社アイティーシェルパは、どのような会社ですか?
ライブストリーミングシステムの開発をメインとしたIT企業です。 社名の由来は、ヒマラヤ登山における案内役の「シェルパ」。IT業界の案内役を担いたいという思いが込められています。 宮崎支社では、webシステム、アプリ開発などを担っています。企業の業務システムやクラウドサービス、GPSやIoT機器なども幅広く開発し、IT技術をいかしたサービスを提供しています。 社員のほとんどがエンジニアで、プロとして高いIT技術でお客様を支えています。
どういった方が働いていますか?
20代から30代の方が多いですね。社員では多分私が一番年上だと思います。 社内カフェではフリードリンクが利用でき、コミュニケーションも多く、風通しの良い企業文化です。
尾堂さんは、送迎バスでの置き去り防止支援システム「あすみ」の開発の主担当を務められていますが、どのような経緯で制作されたのでしょうか?
代表から小さなマイクロコンピューターをいじってみないかと言われたのが最初のきっかけです。ここにセンサーを付けたら人を感知できるのではないかとなり、送迎バス置き去り防止支援システムへの活用を検討。開発を進めることとなりました。 福岡県や静岡県での幼稚園送迎バス置き去り事故は、いまだに記憶に新しいことかと思います。保育分野における人材不足はよく耳にしますが、保育士職に就業を希望しない理由は「責任の重さ・事故への不安」が最も多いのが現状です。 このような事故は二度と起こしてはならないですし、保育園のDX化を進め、保育士の皆様の負担を少しでも軽減したいとの思いもあり「あすみ」の開発を始めました。
開発にはどれくらいの期間がかかりましたか?
期間としては、国のガイドライン合格まで含め、約4ヶ月かかりました。 公益財団法人日本自動車輸送技術協会の指導を受けながら「あすみ」の製品の仕様を定め、機器を開発・改良しました。
宮崎県工業技術センターで搭載機器類の耐久試験を行い、2023年4月28日に国土交通省の定める「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン」の適合基準に合格。 5月10日には、宮崎県内企業として初めてこども家庭庁の安全装置のリストに掲載されました。 2023年4月より置き去り防止装置の設置が義務化されましたが、製品不足のため導入が進んでいない状況だと伺っています。未来を担う子どもたちの命を守る一端の助力となればと考え、製品を潤沢に用意しており、導入を支援しています。
これまで尾堂さんが身につけてきた技術や知識がいかされたIoT機器ですね!
そうですね!電子機器の制作技術、エンジニアとしてソフトを作る技術など、全てが集積されていると思います。

イメージするものは、全てITの力で形になる

IoT機器の製作技術やIT技術には、今後どのような可能性があると思いますか?
可能性は無限だと思います。 どんな分野でも活用できる技術だと思いますし、イメージできたものはほぼ形になる。学生時代には、こんな世の中になるとは思っていませんでした。想像できなかった未来がこれからも創られていくと思いますね。 私の名前「祐一」の「祐」には、誰かを助けるという意味合いがあります。これまで蓄積してきたITやIoTの技術や知識を使って、世の中の助けになるモノを形にし続けていきたいです。
最後に、宮崎の若者へメッセージをお願いします。
私は幼いときから、ものづくりが好きでした。車が故障すれば、自分で修理したり、部品を交換してみたり。何か課題があると、ワクワクする性質でした。 同じように、ものを作り出すことや何か課題を追求することが好きだという方は、ぜひITやIoTの世界に飛び込んでみていただきたいです。きっとワクワクする時間を過ごせると思います。 そして「諦めなければ、必ずできる」ということを伝えたいですね。ものづくりも、ITやIoTの世界もそうです。シンプルに、できるまでやり続けたらいいんです。ぜひチャレンジしてみてください。

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