都市部企業を宮崎からサポート。企業の目指すゴールにつながる「広報・採用」の仕事とは?
WORK
株式会社and a守屋亜理沙さん
企業のブランドイメージを磨き、商品やサービスの価値や魅力をいかに広く伝えるか。目指す未来に必要な人材をいかに確保するか。人材不足が社会問題となった今、企業において「広報」や「採用」はとても重要な業務となっています。 宮崎で二児のママとして子育てをしながら、遠方にある国内企業の「広報・採用」をリモートでサポートする株式会社and aの守屋亜理沙さんに、今の仕事にたどり着くまでの変遷や仕事の魅力を伺いました。
宮崎で子育てしながら東京のクライアントをサポート
自己紹介をお願いいたします!
株式会社and a(アンド・エー)の守屋亜理沙(もりや ありさ)です。東京都出身、1983年7月14日生まれの40歳です。
2012年結婚を機に宮崎市に移住して、現在夫と息子2人の4人暮らしです。2年前に起業し、いろんな会社の「採用」と「広報」をお手伝いしています。
企業の「広報」と「採用」とは、どんなお仕事ですか?
「広報」は、簡単に言うと「会社の良さを伝えるお仕事」。新商品や社会貢献活動を発信して、社会や企業に関わる人々との信頼を築く大切な役割があります。
「採用」は言葉通り、新たに人を雇用するための活動です。
「採用」と「広報」は、ビジネスの一翼を担う相互関係にあります。企業の魅力を伝えるだけでなく、優秀な人材を引き寄せるための重要なポジションです。広報が描く企業のイメージが、若い皆さんが将来のキャリアを考える上で影響を与える可能性もありますね。
宮崎にいながら、どのように社外から関わっているのですか?
採用は、実際に私もチームの一員として、ガッツリ入って業務に関わることが多いです。オンラインで、全社の週次・月次の定例ミーティングはもちろん参加しますし、力を入れている採用ポジション等については、業務の解像度を上げるためにチームの定例ミーティングにも入ったりすることもあります。
面接には極力入りませんが、候補者の方とのやりとりは前面に立って私が行っているので、会社の中の人と思われていることも多いです(笑)。
広報については私が手を動かすというよりは、社内でゼロから広報の組織を立ち上げたいとか、未経験で広報業務を担当することになった方が独り立ちできるようにするためのサポートを、その会社の経営者のご意向を聞きながら進めていくという感じですね。
パソコン1台とWi-Fiがあれば場所を問わないので、稼働する曜日や時間は決めずに、基本的にずっと連絡が取れる状態にしています。
チャンスをくれたITベンチャーの成長にコミット
広報や採用のお仕事をするようになったきっかけは何ですか?
2009年に宮崎発のITベンチャー企業「株式会社アラタナ」に入社したことです。アラタナは、2007年に設立されたインターネットで物品を販売するECサイトのサポートを行う企業。
ずっと東京で生まれ育って仕事もしていて、前職がECコンサルタントだったので、最初はアラタナ東京支社で同じECコンサルタントとして働きました。宮崎にあるアラタナ本社に勤めていた今の夫と知り合って、2012年に結婚。それを機に宮崎に移住しました。
子どもができ、産休育休を経て復職したら、会社の方向転換もあって私の業務がなくなり、どうしよう?ってなって…。そうしたら会社の経営層から「これから対外的な情報発信や企業ブランディングをやっていきたいから、広報をやってみないか?」と言われ、広報なんて全くやったことなかったけれど「…やります!」って言っちゃいましたね。
やったことなくても「やる!」って言えるの、すごいですね。
稼がないといけないですからね(笑)。
社内に1人、ホームページ刷新とかクリエイティブ面をやっている人はいたので、私はその傍らでプレスリリースを書いたり、会社としてのPRのポリシーを作ったり。アラタナの広報をつくったのが最初のキャリアになります。
「採用」は、どうつながってきたのでしょうか?
2〜3カ月ぐらい広報をやった段階で、「アラタナの広報って多分採用に直結するな」って感じてきて、経営層に「採用をちゃんとやらないと広報をやる意味がないです」って言いました。
企業としてのミッションで当時「宮崎に1000人の雇用をつくる」と謳っていたので、広報でPRすべき点だし、そうしたら会社としてもしっかりとした採用業務をやっていく必要がある。なので自分から「採用やります」って言ってやり出したわけです。
しっかりとした「採用」業務とは、どういったことでしょうか?
会社が目指すゴールと、当時採用できている新卒のゾーンがかなり乖離してたんです。アラタナが目指すゴールまで走るとしたら、都内のスタートアップが競合になるような人材のゾーンから採用する必要があります。当時の経営陣に訴えて、予算の確保や経営層に求める動きを提案したりして採用をやったのが、2016年の新卒でした。
説明会、書類選考、面接など、統一した採用方法をきちんと行いました。一方で、ほしい人材が集まる場にはどこまでも足を運び、声をかけました。その年は新卒で10人くらい採用して、彼らは今も多方面で活躍していますよ。
経験とスキルを活かして個人で活動をスタート
どうして起業・独立をしたのですか?
アラタナは2015年、M&AによってZOZOグループとなりました。いろいろあるなかで、私が広報として自分の力を発揮できる状況ではなくなってきたこともあり、退社しました。
一度東京に戻ったり、コロナや家族の変化、夫の仕事の変化など、まぁ本当にいろんな状況がありまして…
宮崎に戻ってきた時に、「仕事、どうしようかな?」と迷いました。宮崎で、自分がやりたい仕事がほしい報酬額でやれることはなさそうだと感じ、広報や採用に関わってきた自分のスキルを活かして起業することにしました。宮崎にいながら、リモートで都市部の案件をやろうと。
立ち上げた時はクライアントが1件もなくて。でも、興味を持ってもらえそうな人に連絡して営業してみたら「今日からでもやってほしい」って言ってくれた企業があって。そんな流れで、なんとかやっていけそうだと思えました。
広報や採用のお仕事をやって良かったと思うのはどんな時ですか?
短期的に言えば、メディアに掲載され取材されたとか、全然違うところでクライアントの名前を聞いた時はもちろんうれしいですよ。でも、それだけじゃなくて、社会の時流を俯瞰して見た時に、あの時点でこの企業も、小さくても一石を投じることができていたなーって感じることがあって。後になってからじわ〜っと自分で満足感を感じています。
採用では、競合他社がせめぎ合う中で私のクライアント企業を選んで入社してくれた時とか、辞めていく時に「最初に出会えたのが亜理沙さんで良かった」「この会社で働いて人生が変わりました」なんて言ってもらえたりするのは、本当にありがたいですね。
お仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
たくさんの案件に携わってると、どうしても一つひとつとの関わりが薄くなってしまうんです。そうしたくないから、例えば採用なら2〜3件に案件を絞って対応しています。
話を聞き社内状況を確認しながら「愛が湧くところ」、極端に言えば、その会社に「入社してもいい」くらいに自分の気持ちを上げていけるところしか、お仕事を受けてなくて。
そういう状態じゃないと、会社内の人と同じ目線で話ができないんですよね。
お仕事にコミットするパワーを感じます!
学生時代の経験が今に生きていることってありますか?
大学時代はゴスペルのサークルに所属していて、これまでにない大きなライブハウス相手に交渉を重ねて1000人規模のライブを実現しました。今もそのサークルでは、当時開拓した大きなライブ会場を使ってやっているようです。
あと、大学のゼミで取り組んだ卒論のテーマが「シリコンバレーのスタートアップとベンチャーキャピタル※の関係」だったんです。スタートアップの方たちに関わったりベンチャーキャピタルの人と話す機会も多かったりしたので、企業が資金調達をしながらIPO(株式上場)を目指してやっていく流れ等が理解できていたのは役に立ったかな。
※ベンチャーキャピタル(Venture Capital、VC):未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資して株式を取得し、将来的にその企業が株式を公開(上場)した際に株式を売却し、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのこと
最後に、宮崎の若者へのメッセージをお願いします。
将来何がしたいか、未来でどうなっていたいか。今この時点では明確にわからないということが多いと思います。かつて私もそうでした。でもそれでもいいと、今振り返れば思えます。
毎日一生懸命生きていると、何かしら取り組まなければいけないことが出てきて、それを一つずつ誠意を持って全力でやっていくことで、未来に繋がっていくからです。
ライフステージの変化で、その時は何かを諦めなければいけないことがあったとしても、それまでに自分が積み重ねてきたことは絶対無駄にはならないし、必ずまたチャンスが来るので、本当にこの瞬間瞬間を大切にして生きてほしいなと思います。
SNSなどネット上ではキラキラした素敵な人がたくさん出てきますね。でも、自分なりの幸せとか、自分にちょうどいい暮らしや生き方がきっと見つかるので、決められた価値観に惑わされず、本当に自分が欲しいとか、やりたいって思うものをゆっくり探しながら歩いていってくださいね。
ーーーーー
■アプリ限定動画も配信中!インストールはこちらから▼
■20do 公式Instagramもフォローしてね!