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下手でも前に進もう。子ども達の心に寄り添う指導者を目指して

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株式会社 かみむらスポーツ教室 指導部 課長馬場 星良さん

\ 馬場 星良さんってこんな人! / ■野球に励んだ学生時代。スカウトされるもレベル差を痛感!奮起した高校時代 ■都内大学卒業後、東京都で6年間幼児体育指導を経験。声掛けを期にJターン ■目標は、子どもの気持ちに寄り添える指導者。恩師の言葉を胸に そんな馬場さんのこれまでの歩みとは?詳しく話を伺いました。

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野球とともに成長した学生時代。信頼の置ける恩師のもとで

自己紹介をお願いいたします!
株式会社かみむらスポーツ教室で指導部の課長を務めています馬場星良(ばば せいら)です。宮崎県都城市出身、1988年生まれの36歳です。 都城市の中学校を卒業後、宮崎学園高等学校へ進学。その後、東京都の桜美林大学健康福祉学群へ進学し、スポーツや幼児教育について勉強しました。 現在は、宮崎市大坪町にある株式会社かみむらスポーツ教室に所属し、幼児体育指導の仕事をしています。
どんな学生時代を過ごされましたか?
小学4年生から軟式野球を始め、中学生の頃には「軟式野球部」に所属し夢中で練習に励んでいました。 引退後も、地元の硬式野球のクラブチームに入って毎日練習をするほど野球が好きでしたね。 ある時、僕が所属するチームが宮崎市の野球チームと練習試合をすることになり、そこでたまたまヒットを打つことができたんです。 その様子を見ていた宮崎学園高等学校の関係者の方に声をかけてもらったことがきっかけで、地元・都城市を離れ宮崎学園高等学校に入学することになりました
野球というスポーツがきっかけで、高校進学の道が決まったんですね!
僕が入学したのは、宮崎女子高等学校が共学化し「宮崎学園高等学校」になった2003年。 学校は力を入れて野球部を作ったようで、県内各所から、野球が上手な人たちを集めていました。 プロ野球選手を本気で目指している同級生も沢山いましたね。 スカウトされて高校進学を決めたこともあり、野球には自信がありました。でも入学後に同期の野球のレベルの高さを目の当たりにし、愕然としたんです。
練習も厳しい上、慣れない寮生活の辛さも加わって、入学当初は「ここでやっていくのは自分には無理だ」と何度も思いましたね。
辞めたいほど辛い部活を、続けることができたのはなぜですか?
入学前「宮崎学園だと、お前はきっとレギュラーになれないぞ」と父親から何度も言われていたんです。 それでも野球を頑張ると決意して、僕は宮崎学園に入りました。 もし何の成果も残せず、頑張ることも諦めて途中で野球を辞めてしまったら、入学を決意した過去の自分を否定してしまう気がしたんです。 あとは当時の野球部のコーチだった、市川コーチの存在が大きいと思います。
どのような方だったのでしょうか?
野球の技術力だけを見るのではなく、野球に対する熱意や態度なども評価してくださるコーチだったんです。 陰で必死に自主練をしていることを知ってくれていて、ベンチのメンバーに入れて下さったり、試合に推薦してもらったこともありました。 上手じゃなくても頑張っていれば、その姿を見てくれている人がいるということを市川コーチがいたから信じることができ、引退まで野球をやり続けることができました。

経験を積みJターン!宮崎の子ども達に、運動の楽しさを伝えたい

高校卒業後、大学は桜美林大学健康福祉学群へ進学されていますが、当時の進路はどのように考えていらっしゃったのでしょうか?
実はもともと中学・高校の体育教諭を目指していました。大学時代には保健体育の教員免許も取得しました。 でも就職活動をする中で、”幼児期・学童期の運動の大切さ”を感じるようになりました。 幼児期は、運動機能が急速に発達する時期です。この大切な時期に、発達段階に合わせてさまざまな運動を取り入れていくことで、バランスの取れた身体機能を身に付けることができるとされています。 幼児期の運動は、体だけでなく脳と心の発達を支えたり、協調性やコミュニケーション能力といった子どもの生きる力を育んでくれることを、大学の勉強や教育実習を通じて学びました。 それならば、子ども達に運動の楽しさを教える人になりたいな、と考えるようになり、目標を変更して、東京で6年間、幼児体育指導に携わりました。
宮崎にJターンされたきっかけは何だったのですか?
宮崎にいつかは戻りたいな、という思いは常にあったのですが、なかなか機会がなくて。 帰省した時に、幼児体育指導に関わることができる会社を探していると、かみむらスポーツ教室の存在を知りました。 会社へ連絡してみると、都城スタジオのレッスンを見学させてもらえることになったんです。 そこで、会長に「宮崎の子ども達に、運動の楽しさを教えてみない?」と声をかけていただいて。そのような経緯で今の会社に就職することになり、宮崎に戻ってきました。
株式会社かみむらスポーツ教室でされている幼児体育指導とは、具体的にどのようなお仕事ですか?
小学生や就学前のお子さんに、マット運動やボール遊びなどの運動指導やスポーツイベントを通じて体を動かす楽しさを知ってもらう仕事です。
かみむらスポーツ教室Webサイト https://www.kamispo.jp/
具体的には、幼稚園や保育園で園児に向けた体育指導をしたり、幼児・小学生向けの体操教室の講師を務めています。 運動能力だけではなく、集団生活でのルールといった基本的な生活習慣も身につけてもらえるような指導を心がけています。

お仕事必需品は、「バインダー」!休日は食事や筋トレでリフレッシュ

お仕事で欠かせないアイテムはありますか?
バインダーです。 この中には、レッスンで何をするか、というスケジュールを毎日細かく書き込んだ指導案が沢山入っているんです。 新しい情報を取り入れて、常にレッスンをアップデートしていきたいと思っているので、これを見ながら体操を教えたり、子ども達の反応はどうだったか振り返りをすることが何より大切。 子どもって本当に正直なんですよね。だからレッスンがつまらないと感じれば、それが素直に表情に出るんですよ(笑)。 子ども達と本気で向き合うために、事前にしっかりと授業計画を立てて、子ども達の心に残るレッスンをしていきたいと思っています。
パワーあふれる子ども達と毎日向き合うのは体力も必要ですね。お休みの日はどのようなことをされてリフレッシュしているのですか?
妻と出かけて食事をしたりすることが楽しみです!あとは筋トレです。
お休みの日も体を動かしていらっしゃるんですね!
筋トレって、継続すれば必ず結果がついてくるんですよ。トレーニングした筋肉は必ず引き締まってくるんです。 実は、仕事で思うような結果が出なくて、「辞めようかな」と思っていた時期があったんです。 でもきっと、仕事も筋トレと一緒でいつか必ず結果はついてくる。 そう信じて目の前の業務にコツコツと向き合っていたら、霧が晴れたように仕事が楽しくなっていたんです。
仕事を辛いと感じる時期があったんですか?
もちろんありました!今の会社に入社して1年目の時でした。 入社前も幼児体育指導の職を経験していたので、自分のやり方には自信もあったんです。でも実際は、自分が思い描いていたレッスンはできないし、うまくいかないことだらけ。 幼児体育指導の仕事は自分には無理だと思い、会社の上層部にも「辞めます」と伝えていました。

下手でもいい、前へ進もう。頑張る姿はきっと誰かが見てるから

「辞めたい」と会社へ伝えるほど悩まれていたんですね。
社長たちと沢山話をして、有り難いことに引き止めていただきました。でもその時は、社長の言葉さえ耳に入ってこないほど真剣に悩んでいたし、仕事から逃げたいと感じていましたね。
そんなに辛いと感じているのに、筋トレと同じようにコツコツ続けてみようと、思えたのは なぜですか?
レッスンで関わっている子ども達の存在が大きかったんです。
教室オリジナルのTシャツを紹介してくれている馬場さん。
入会した生徒さんには、一緒に頑張ろうという意味を込めてTシャツをプレゼントされているそうです。
自分には指導者は向いていない、そんな気持ちで、子ども達の名簿を見返していたとき、ふと、「僕はこの子たちに何かを残してあげられただろうか」って、考え込んでしまって。 この名簿に載っている子の中には、まだまだ運動が嫌いだと感じている子もいる。体を動かすことを楽しいと思ってもらうために一緒に頑張ってきたのに、指導者としての責任を果たせていないまま、お別れするのは違うなって思ったんです。
生徒さんたちと本気で向き合っていたからこそ、仕事について悩んだり、 逆に生徒さんから力をもらったんですね。
最初はうまくいかないことの方が多かったけど、いつか結果が出るはずだと信じてコツコツと努力し続けました。すると2年、3年と経つうちに、仕事がどんどん楽しくなってきたんですよね。 今だから笑って話せるんですけど、仕事が楽しいと思えるまでの期間は本当にしんどかったです(笑)。
今の仕事を辞めずに続けていて良かったなと思う瞬間はどんな時ですか?
子ども達が「今日のレッスン楽しかった」と笑顔で言ってくれた時ですね! 「体育の時間が楽しみになったみたい」という声を保護者の方からいただくこともあり、それも励みになっています。 あと最近、卒園式の時に「馬場先生みたいな体操の先生になりたい」って言ってくれた教え子がいたんです。 野球選手やバレエダンサーとか有名な人になりたいっていうのは、よくあるじゃないですか。 自分みたいな体操の先生になりたいと思ってくれる子がいることが本当に嬉しかった。これからも憧れてもらえる存在になれるように頑張ろうと思いました。
今後の目標をおしえてください!
高校時代、僕自身が野球で悔しい思いを沢山してきたからこそ、運動が苦手な子の気持ちに寄り添った指導ができるんじゃないかなと思っています。 市川コーチから教えてもらった、「下手でも諦めずに努力すれば認めてくれる人がいる」ということを、今度は僕の指導を通して子ども達へ伝えていきたいです。 体験レッスンも行っているので、運動に苦手意識を持っているお子さんも気軽に参加してもらえると嬉しいですね。一人でも多くのお子さんに「体を動かすって楽しい!」と思ってもらえるような指導を行うことが今の目標です。 また会社の取り組みとして、幼児体育指導での実績をもとに、小学校の体育教諭を目指す学生や指導者に向けた体育指導養成研修も行っています。 10年以上体育指導の業界で仕事をしていますが、人を育成するってやりがいはあるけど難しいですね。僕も役職が付いて人を育てる立場になったので、後輩達が一人前の先生になれるようにお手伝いしていければと思います。
最後に、宮崎の若者へメッセージをお願いします。
レッスンでよく「将来の夢、ある人?」って、子ども達に問いかけるんです。すぐに手が上がる子もいれば、なかなか手が上がらない子だってもちろんいます。 僕は、大人でも子どもでも夢や目標を持つことって、すごく大切だと思っているんです。 「こういう人になりたい」、「こんなことをしてみたい」という夢を持って生きることで、自分の人生に対して能動的に動けるようになるんじゃないかなと感じています。 夢に向かって努力する中で、きっと悔しい気持ちになったりすることもあるはずです。それでも頑張ったその先に、自分が本当に好きなことが見えてくるんじゃないかな。 だから恥ずかしがらずに、自分の夢を大切にしてほしいですね。

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