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中学生が地域の事業者の課題解決策を考案!「地域セミナー」発表会を開催

宮崎市立広瀬中学校2年生

広瀬中学校2年生は、令和5年度「地域から学ぶ」というテーマでキャリア教育を実施しました。「地域セミナー」と題して、学校での学びを活かし、事業所の課題解決につながる策を考案し、企画・提案を行いました。

小学校から中学校にかけてシームレスに行われている、広瀬地区のキャリア教育

県内13の事業所の方々にご協力いただき、お話を伺う中で事業者がどのような世の中のニーズ(要望)に応えようといているのか発見し、仕事の価値や社会とのつながりを考えました。そして、仕事を通して地域をどのように活性化させているか発見することで、地域の課題を捉えることを目的としていました。    

 

■ご協力いただいた事業者の皆様

・ミネベア アクセスソリューションズ株式会社
・フェニックスリゾート株式会社(フェニックス・シーガイア・リゾート)
・アイホーム株式会社
・米良電機産業株式会社
・株式会社宮崎銀行佐土原支店
・株式会社フェニックスシステム研究所
・シャモニーの森
・農事組合法人一ツ瀬髙見農園
・学校法人三育学園認定こども園 光が丘幼稚園
・宮崎市役所健康管理部地域保健課(佐土原保健センター)
・ヘアサロン みっつんち
・MRT宮崎放送
・光仙

 

事業や課題への理解を深める、職場体験とゆめ集会

まず2023年7月7日(金)に事業所の方が来校し、午前中に職場体験や講話が各クラスで行われました。

近隣の菓子店を経営する、シャモニーの森 代表 森幸男さん。生徒とともにケーキ作りを行った
試食をして「美味しい!」と喜ぶ生徒たち
MRT宮崎放送からは加藤沙知アナウンサーが来校
普段心がけている「目線を合わせて話す」ことなどをシェアした
IT企業であるフェニックスシステム研究所は、エンジニアの岩切隆道さんからレクチャーいただき、実際にAIプログラミングを体験した
宮崎市役所健康管理部地域保健課(佐土原保健センター) 主査 戸敷優子さん。取り組みの内容や地域の健康に関する課題をシェアした
フェニックス・シーガイア・リゾートの魅力、宮崎のリゾート事業の可能性や課題についてシェアする人財開発部採用課 課長 染矢幸子さん

実際に事業について体験し、詳しく話を聞くことで「どのような経営体制でどう動いているのか、サービスを展開するにあたってどんなことを考えなくてはならないかを知ることができた」といった声が生徒からあがっていました。

 

午後には「ゆめ集会」として事業者と生徒との意見交流会を実施しました。

事業者の皆さんと、生徒の代表者が前に並び、各事業者の方の自己紹介、現在の仕事に至るまでの経緯、宮崎の良さは?など、様々なテーマに合わせてトークが繰り広げられました。

 

企業が手掛ける地域貢献というテーマでは「地域のスポーツ施設の名前をつける機会をいただき、あえて社名ではなく“ひなた”という名前をチョイスした。自分たちの企業だけでなく、地域で成長していく必要があるという思いを込めました。」といった意見や「自社の技術を活かし、幼稚園の見守りシステムを考案した。皆自分たちの仕事に誇りを持って働いている。お父さんやお母さんもそうだと思うので、ぜひ話を聞いてみて!」という意見もでていました。

生徒からは「辞めたいと思ったことはありますか?」との質問も。

事業者に質問を投げかける生徒たち

事業者の方からは「複数名が勤める企業にいると、現場での業務だけでなく、マネジメント側に回らないといけなくなる。何十人を束ねる必要があり、本来したいことではなかったのでかなりしんどくなった。しんどいときは声をあげること、逃げることも大事にして欲しいですね。リセットは何度でもできますよ!」と力強いメッセージを回答していました。

生徒たちの感想や話を受けての感想や今後どう行動したいかを記したシート

1日を通して、働くことについての考えや各事業者の抱える課題に理解を深めた生徒たち。この日を踏まえて、課題解決に向けた企画やアイディアを出していきました。
 

中間発表を経て、最終の「地域セミナー」発表会へ

各事業所から出された課題に対し、生徒たちは「総合的な学習の時間」でグループに分かれ、自分たちなりの最適解を探究していきました。

発想の過程を見える化し、改善策へと近づけた

中間発表を経て、2024年2月22日(水)事業所の方に来校いただき、最終の「地域セミナー」発表会(プレゼンテーション)を行いました。

「認知度アップを図りたい」というミネベア アクセスソリューションズの課題に対し、キャラクター活用の提案をする生徒たち
生徒たちのユニークな視点に「社内でも共有したい」と述べる、ミネベア アクセスソリューションズ株式会社 人事・総務部 澤村 憲司さん
一ツ瀬髙見農園の課題「佐土原ナスを使った美味しい料理法」を提案する生徒たち
「自分たちの発想ではでてこないようなスイーツへの展開など、とても驚かされた」とコメントする農事組合法人一ツ瀬髙見農園 代表理事
髙見和幸さん
美容室「みっつんち」の課題は、カットクロス(髪を切るときにかける布)に入れるイラストを考えて欲しい。可愛らしいイラストが提案された
イラストのクオリティに喜ぶ、ヘアサロン みっつんち 代表 三石利徳さん
学校法人三育学園認定こども園 光が丘幼稚園の課題「20-70代の同じ職場の大人が楽しめる企画」を考えた生徒たち
生徒たちの意見をしっかりと受け止める、学校法人三育学園認定こども園光が丘幼稚園 園長 下苙敏大さん
生徒の提案に対して意見を述べる、アイホーム株式会社 代表取締役 社長 矢野博幸さん
うなずきながら意見を聞く、米良電機産業株式会社 総務部長 藤井貴広さん
事業者や保護者の方を前に、緊張しながらもしっかりと意見を述べる生徒たち
生徒たちに真剣な眼差しを送る、株式会社宮崎銀行佐土原支店 次長 池田一水さん

 

地域を知り、自分を知り、未来の可能性を追求して

しょうがを使ったスイーツへの提案に対し意見を述べる、宮崎県キャリア教育コーディネーター 井ノ上亜里沙さん

井ノ上亜里沙さんは、近隣の菓子店である「シャモニーの森」代理として出席。自身がフードビジネスに携わり、食品開発などを行ってきた経験をお持ちです。

宮崎の根幹でもあるフードビジネス。学生のときからこのように自分ごととして考える時間を作ることは、フードビジネスへの関心への高まりや将来フードビジネスを手掛けたいと思うきっかけにもなりうる。それぞれの意見も素晴らしく、とても良い機会になったのではないかと感じました。」と感想を述べていらっしゃいました。

最終発表会を終え、先生や事業者も含めて一層のブラッシュアップを図る様子

1年間かけて、地域の事業者とともに「探求」を行った広瀬中の皆さん。地域を知り、地域の大人を知り、仕事を知り、自分を知る。とても貴重な経験になったのではないでしょうか。

不確実で先が見えない未来だからこそ、自分たちで課題を設定し、探求の上で解決を図っていく力が求められています。今回をきっかけに「強くしなやかに生きる」ヒントを学び続けていっていただければと思います。

 

改めまして、複数回に渡りご協力いただきました事業者や関係者の皆様、本当にありがとうございました!

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